CO2溶接のようなアーク溶接で消耗品であるコンタクトチップの耐久性を5~7倍まで向上させたアルファチップを開発、販売している宮城県仙台市のアルファエクセレント㈲の溶接機材向け部品をご紹介していきます!
実は私、昔は金属加工と溶接をやっていました。経歴で言うと約15年ぐらいですかね。
アーク溶接は苦手だけど、半自動アーク溶接(CO2半自動溶接)やTIG溶接はほぼ毎日のようにやっていたので、TIG溶接のローリングが出来なかった事以外は、結構長く経験を積んでいました。
最初は狙った所にワイヤーを供給できなかったり、トーチを離しすぎてスパッタを飛び散らせたりと大変でしたが、知らないうちに磨き仕上げが必要なステンレス加工までやっていましたね。
その中の半自動アーク溶接は、コイル状の溶接ワイヤが送給ローラーによって供給され、溶接トーチの先端から供給されるワイヤと母材の間にアーク放電を発生させて金属同士を接合する手法です。
トーチのスイッチを押すとワイヤーが押し出されて金属同士を接合しますが、溶融金属部を大気中から保護する炭酸ガスをシールドガスとして用いて、ガスの拡散を防ぐためのノズル、溶接ワイヤーを母材に供給するためのコンタクトチップがトーチ先端を構成しています。
溶接時のコンタクトチップには電流が流れており、内孔の外壁に溶接ワイヤーが接触する事によって、母材との間にアーク放電を発生させながら溶接材料であるワイヤーを溶かしながら金属を接合します。
スパッタが付着するノズルとワイヤーが通過するコンタクトチップは、溶接トーチの中でも特に交換頻度が高い消耗部品になっていますが、特にコンタクトチップを消耗させたまま使用を続けると、内孔の拡大によるワイヤー供給のブレ、不安定な電流の供給を発生させてしまい、不完全な溶接になってしまう原因になります。
経験を積んだのは町工場でしたが、詰まったワイヤーを引っ張って取り除いたりして、なるべく消耗部品を長く使うような指示に従って、限界を突破するぐらいまで使い込んでいましたので、溶接時に発生する消耗部品の問題点については理解していました。
今回ご紹介をするアルファエクセレント有限会社さんが開発と販売をしているロボット溶接用コンタクトチップ、アルファチップシリーズの現物を見てきましたが、半自動アーク溶接の問題点には気づいていたけど、それを解決する手段が存在していた事に驚かされてしまいました。
現物を見させていただきましたが、溶接が不安定になる問題点や、交換頻度の問題などを解決して、ワイヤー供給時の安定性強化や耐摩耗性の向上を果たした優れたコンタクトチップだったのです。
アルファチップ(α-Tip)は、3~7倍の耐久性を持つ標準型から、先端のみを交換する事が出来る分割型がリリースされています。
アルファチップ標準型
溶接ワイヤーはコンタクトチップの内孔に接触をして給電されていますが、接触する箇所を常時変化させながら、母材にワイヤーを供給しているため、溶接に必要な電力が不安定になりがちです。
また、一般コンタクトチップの連続使用により、先端ワイヤー孔が摩耗する事によって、アークのブレが発生する事も問題でした。
従来のコンタクトチップにあった数々の問題点を解決すべく、独自開発をされたのがアルファチップです。
アルファチップに内蔵した特殊スプリングがワイヤーを押圧しながら、常時内孔に沿ってワイヤーが母材に供給される仕組みになっているため、一定の電力を保ったまま、非常に安定したアークを発生させる事を可能にしました。
万が一先端ワイヤー孔が拡大するような事があっても、特殊スプリングの圧力によって給電点を一定とし、ブレも最小限に抑えられるため、従来一般標準チップと比較して、3~7倍の耐久性と安定性を実現する事が可能。※1
コンタクトチップの交換サイクルが伸びる事によって、廃材の発生も抑えられるようになり、消耗品費の減少やISO14001取得に向けた環境への配慮など、今まで実現できなかった課題を、独自開発のアルファチップが解決をいたします。
適応ワイヤー径やΦ0.9~Φ1.4まで、チップ長は40Lと45Lからご用意できます。
商品名 | アルファチップ |
対応溶接機 | |
適応ワイヤー径 | Φ0.9・Φ1.0・Φ1.2・Φ1.4 /その他の径は要相談 |
適応ワイヤー材質 | ソリッド・フラックス |
チップ長 | 40L・45L |
アルファチップ分割型
溶接ワイヤーはコンタクトチップの内孔に接触して給電されていますが、接触する箇所を常時変化させながら、母材にワイヤーを供給しているため、溶接に必要な電力が不安定になりがちです。
また、一般コンタクトチップの連続使用により、先端ワイヤー孔が摩耗する事によって、アークのブレが発生する事も問題でした。
従来のコンタクトチップにあった数々の問題点を解決すべく、独自開発をしたアルファチップに改良を加えて取扱いをしやすくしたのが、アルファチップの分割型です。
アルファチップ分割型は、特殊スプリングを内蔵したアダプターと、摩耗しやすい先端Sチップを分割構造とする事によって、従来よりもさらなるコスト削減を可能としました。
一般標準のコンタクトチップや弊社製品のアルファチップ標準型は、先端が摩耗してしまった際に、チップ一式を交換しなくてはいけないデメリットがありましたが、摩耗の少ない箇所をアダプターとし、摩耗しやすい先端Sチップのみを交換可能な別部品とする事によって、それぞれ交換サイクルが違う別部品として販売しております。
交換・廃棄をする部品を小型化する事により、消耗品の交換コストを削減し、地球環境にも優しいエコなコンタクトチップとして、ラインナップに追加いたしました。
適応ワイヤー径やΦ0.9~Φ1.4まで、チップ長は40Lと45Lからご用意できます。
商品名 | アルファチップ (分割型) |
対応溶接機 | |
適応ワイヤー径 | Φ0.9・Φ1.0・Φ1.2・Φ1.4 /その他の径は要相談 |
適応ワイヤー材質 | ソリッド・フラックス |
チップ長 | 40L・45L |
トライアルセット(有料)も用意してあるそうなので、お問合せや導入については、アルファエクセレント有限会社のウェブサイトをご覧になってみて下さい。
また、当ウェブサイトのお問合せフォームを利用していただければ、お取次ぎをする事も可能ですので、お気軽にお問合せ下さい。
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