山梨県西八代郡市川三郷町の三郡橋下流・笛吹川河畔で開催される、市川三郷町ふるさと夏まつり「神明の花火大会」の歴史や見どころを、写真と高画質動画とともにご紹介します。江戸時代には「甲斐の市川」として日本三大花火の一つに数えられた歴史を持ち、一時途絶えたものの1989年(平成元年)に復活しました。約20,000発の花火が夜空を彩る山梨県最大規模の花火大会で、地元煙火店による色彩豊かな花火や、音楽とシンクロする迫力あるワイドスターマインが大きな魅力となっています。
市川の花火の歴史
「神明の花火大会」の前身とされる甲斐国・市川の花火には、戦国時代に武田氏が情報伝達の手段として使用していた狼煙(のろし)の技術が起源になったという伝承があります。また、市川の花火は地域の伝統産業である和紙とも深い関わりがあり、平安時代に源義清に従って京都から移り住み、紙漉きの技術を市川の地に伝えたとされる甚左衛門の功績をたたえ、神明社に祀ったことも、その歴史に結び付いています。
甚左衛門の命日と伝えられる7月20日には、神明社の祭礼として盛大に花火が打ち上げられるようになり、これが「神明の花火」の始まりといわれています。その後、江戸時代の元禄・享保年間(1688~1736年)頃には、甲斐国の「市川の花火」が一層盛んになり、常陸国(現在の茨城県)の「水戸の花火」、三河国(現在の愛知県)の「吉田の花火」とともに、当時の「日本三大花火」の一つと称されるほどの賑わいを見せました。
市川の花火は恋人たちの出会いの場としても親しまれ、「七月おいで盆過ぎて 市川の花火の場所であいやしょ」とうたわれたほか、一緒に花火を見ると幸せになれるという言い伝えも残されています。
神明の花火大会の歴史
長い歴史の中で一度は途絶えてしまった市川の花火ですが、1989年(平成元年)8月7日に「いま甦る神明の花火」を掲げ、旧市川大門町の「ふるさと夏祭り」のフィナーレを飾る花火大会として復活しました。第1回大会では、現在の会場より上流に位置する三郡橋上流の中土手から花火を打ち上げ、富士見防災公園やケヤキ並木沿いの堤防などが観覧場所となっていました。
翌1990年(平成2年)の第2回大会からは、現在の開催場所である三郡橋下流の笛吹川河畔に会場を移し、約15,000発の花火を打ち上げる大規模な大会へと発展しました。1991年(平成3年)の第3回大会では、神明の花火として初めて二尺玉の打ち上げや競技花火コンテストが行われ、1993年(平成5年)の第5回大会には打ち上げ数が約20,000発に達しました。
その後も花火の演出やプログラムが充実し、2018年(平成30年)には第30回記念大会、翌2019年(令和元年)には第31回大会を迎えるなど、山梨県を代表する大規模な花火大会として発展を続けています。
神明の花火の内容
2018年に第30回記念大会を迎えた神明の花火大会は、毎年8月7日を基本の開催日とし、山梨県西八代郡市川三郷町に拠点を置く株式会社マルゴーと株式会社齊木煙火本店を中心に、約20,000発の花火が打ち上げられます。最大級の二尺玉や競技花火、メッセージ付き花火など多彩なプログラムが用意されていますが、特に注目したいのが、両社の高い技術力によって生み出される鮮やかな色彩と、音楽に合わせて展開する芸術性の高い花火です。
日本の伝統的な「和火」は、黒色火薬を用いた温かみのある赤褐色や橙色の光が特徴で、明治時代以降に発展した「洋火」は、金属化合物などを利用することで赤色や緑色をはじめとした多彩な発色を可能にしました。神明の花火では、さらに水色やレモンイエローなどの淡いパステルカラー、鮮烈な赤色、虹色のグラデーションなど、美しい色彩の変化を楽しむことができます。
また、花火の星が時間差で発光したり、流れるように色を変えたりする時差式花火を積極的に取り入れていることも特徴です。次々と変化する色や形を音楽とシンクロさせた演出は幻想的で、観覧席から見上げる大玉の迫力とともに、神明の花火ならではの臨場感を生み出しています。
ここからは、実際に撮影した神明の花火大会の4K映像や8K HDR映像を交えながら、代表的なプログラムとその見どころをご紹介します。
[4K]神明の花火大会 メッセージ付き花火
神明の花火大会の「メッセージ付き花火」は、応募者が大切な人へ届けたい思いをアナウンスで紹介し、それに合わせて花火を打ち上げる人気プログラムです。誕生日や記念日のお祝い、感謝の気持ちを伝えるメッセージなどが披露される中でも、特に会場が盛り上がるのがプロポーズ花火で、観覧客も一緒になって祝福する温かな雰囲気を楽しめます。美しい花火とともに届けられる特別なメッセージを、4K高画質映像でご覧ください。
[4K]2017年 神明の花火大会 競技花火
2017年の神明の花火大会で行われた競技花火には、㈱齊木煙火本店・㈱マルゴー・㈱山内煙火店・㈱小口煙火・㈱丸玉屋小勝煙火店の5社が参加しました。花火の打ち上げを担当する煙火店の名前を伏せ、作品のタイトルだけをアナウンスする形式で競い合い、各社が持つ独自の技術や表現力を比較しながら観賞できるプログラムとなっています。2017年8月8日に順延開催された神明の花火の競技花火を、4K映像でご紹介します。
[4K]2017年 神明の花火大会 テーマファイヤー
神明の花火大会を代表する大型プログラムの一つが、グランドフィナーレと並ぶ見どころとなっている「テーマファイヤー」です。2017年は㈱齊木煙火本店が担当し、『世界に届け「神明花火」~平和への祈り~』と題して、音楽と花火がシンクロする約10分間の壮大なワイドミュージックスターマインが披露されました。
㈱齊木煙火本店の代表的な花火である「虹色のグラデーション」や「虹色のブーケ」などを織り交ぜながら、鮮やかなビビッドカラーと繊細なパステルカラーを組み合わせた美しい演出が続きます。色彩が次々と変化する芸術的な花火の魅力を、2017年の神明の花火大会で撮影した4K映像からお楽しみください。
[8K HDR]2017年 神明の花火大会 グランドフィナーレ
2017年の神明の花火大会でグランドフィナーレを担当したのは、鮮やかな色彩表現と独創的な花火の演出で知られる㈱マルゴーです。音楽と花火を緻密にシンクロさせながら、虹色のグラデーションや時差式変化を取り入れた花火が次々と夜空に広がり、圧巻のワイドミュージックスターマインで大会のラストを飾りました。
こちらは、当時撮影した4K映像を8Kにアップコンバートし、HDR(ハイダイナミックレンジ)化した高画質動画です。鮮やかな花火の色彩や明暗の変化を、より豊かな映像表現で楽しめるように仕上げています。なお、8Kで新たに撮影した映像ではなく、4K映像をもとに高解像度化とHDR処理を行った作品です。
2016年 神明の花火 グランドフィナーレ
神明の花火大会のテーマファイヤーとグランドフィナーレは、地元の㈱マルゴーと㈱齊木煙火本店が担当する代表的なプログラムで、両社がそれぞれの持ち味を生かした花火を披露しています。2016年のグランドフィナーレは㈱齊木煙火本店が担当し、翌2017年には㈱マルゴーが担当しました。
2018年の第30回記念大会では、テーマファイヤーを㈱マルゴー、グランドフィナーレを㈱齊木煙火本店が担当するなど、年によって異なる演出を楽しめることも神明の花火の魅力です。2016年と2017年のグランドフィナーレを見比べることで、それぞれの煙火店が得意とする色彩表現や花火の構成、音楽との組み合わせの違いを感じられると思います。
このほかにもYouTubeでは、神明の花火大会で撮影したさまざまな花火動画を公開しています。二尺玉や競技花火、テーマファイヤー、グランドフィナーレなど、実際の大会で披露された花火の映像をぜひご覧ください。
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神明の花火大会は、毎年多くの観覧客が訪れる人気イベントで、有料観覧席も高い人気があります。特に会場から間近に見上げる二尺玉や、視界いっぱいに広がるワイドスターマインは迫力があり、花火の美しさと音楽が一体となった感動的な演出を楽しめます。
なお、2020年の第32回大会は東京オリンピックの開催日程を考慮して、例年の8月7日から10月10日に変更して開催する予定でしたが、その後、新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりました。以下には当初の開催予定と、2019年大会の実績に基づく観覧席や交通アクセスの情報を掲載しています。
神明の花火大会 交通アクセスや日程情報
| 開催場所 | 甲信越地方/山梨県西八代郡市川三郷町 三郡橋下流笛吹川河畔 |
| 開催日時 | 2020年10月10日 19:15~21:00(当初予定・開催中止) |
| 花火打ち上げ数 | 約20,000発(例年の規模) |
| 担当煙火店 | 主な打ち上げ担当:㈱マルゴー・㈱齊木煙火本店 2017年競技花火参加煙火店:㈱マルゴー・㈱齊木煙火本店・㈱山内煙火店・㈱小口煙火・㈱丸玉屋小勝煙火店 |
| 観覧場所 | 2019年大会の有料観覧席料金 シート席(10名)35,000円・(4名)16,000円・(2名)8,000円 階段席 最上段席 4,000円・最上段席以外3,000円 イス席 前売り 4,000円 当日券 5,000円・無料観覧席あり |
| 駐車場 | 会場周辺 約4,000台(当時の案内に基づく) |
| 交通アクセス | 中央自動車道甲府南IC~国道140号経由 約10㎞ 中部横断道増穂ICより 約3km JR身延線市川大門駅から徒歩約10分 |
| マップコード | 312 823 009*67 |
| 関連ウェブサイト | 神明の花火 |
この記事は、主に2019年大会までの実績や当時発表された情報に基づいて執筆しています。開催日時や有料観覧席、駐車場、交通規制などの情報は開催年によって変更される場合がありますので、実際に観覧される際には公式ホームページで最新の案内をご確認ください。







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