大容量で長時間の撮影が可能なバッテリーとして現在も定評があるSonyのNP-Fバッテリーを2つ同時にQC2.0で急速充電が可能で、LCDディスプレイでバッテリーの状態をリアルタイムで確認が可能な急速充電機NITECORE USN3 PROのレビューです。
記事内の目次
NP-Fバッテリーとは?
Sony製ハイエンドカムコーダーの純正バッテリーとして採用し、サードパーティ製外部モニターやシネマカメラの外部電源として需要があるNP-Fバッテリーは7.2Vの電圧を出力し、最大で45Wh(6,300mAh)の大容量で長時間の運用を可能にした大容量バッテリーです。
Amazonなどでは国内外のメーカーから互換バッテリーも多く出品されているロングセラーとなったバッテリーなのですが、最大容量のNP-F970バッテリーをSony製AC-VQ1051Dで充電すると、1日以上かかり、デュアルスロットを使用すると長い時で2日ぐらいかかります。
AC-VQ1051Dは実用充電と満充電が選べる急速充電対応のチャージャーなのですが、実用充電で充電したとしても遅い!その割にチャージャーが17000円もするのです。
設備投資にお金がかかっているのに、そんな高価な物は買えない!と思って見つけたのが、今回紹介するNITECORE USN3 PROです。
NITECORE USN3 PROのレビュー
現在手持ちのバッテリーは、Sony純正のNP-F970バッテリーの他、ROWA NP-F970互換バッテリー3本とEDOGAWA NP-F970互換バッテリー2本、ATOMOS NINJA ASSASSINに付いてきたおまけのNP-F互換バッテリー7本で運用しています。
丸一日撮影しているとほとんど使い切り、二日目に撮影する時には充電が追い付かず、長回ししている時にバッテリーが切れて撮影が出来なくなる事も稀にありました。
今回追加の充電器としてNITECORE USN3 PROを購入したのは、そのような経緯があったからなのです。
NITECORE とは?
NIGHTCOREは中国から世界にカメラ用品やライト、ポータブル電源等の販売を展開している企業で、25mmから100mmまでの本格的なシネレンズまでも販売しているのです。
製品品質については、今の所バッテリーチャージャー以外の事は知らないのですが、CEマークの認証は取れているようなので大丈夫そう。
ちなみに桁違いだったシネレンズの価格は見なかった事にしました。
NITECORE USN3 PROの開封
2021年9月20日に発注して届いたのが10月5日、手元に届くまで約半月かかったのですが、荷物も追跡できずどうなっているんだろう?って思ったら国際配送で何故かイギリスから届いていました。
国際配送で届くと外装が汚いイメージがあったのですが、国内と変わらないぐらい綺麗なままのパッケージで届いています。
NITECORE USN3 PROの付属品
画像には写っていないのですが、充電器本体と給電用のUSBケーブル以外にも説明書と保証書が付属しており、LCDディスプレイの表面には保護フィルムが貼られています(剥がしにくかった)。
本体は長さ125mm x幅7mmほどで、NITECORE USN3 PROと同じデュアルスロットを採用しているSony AC-VQ1051Dの半分ぐらいの超小型サイズでした。
抜け防止機構を備えた背面とUSBコネクター
付属するMicro USB Type-B-USB Type-Aケーブルを接続し、抜け防止の溝に沿って配線を這わせます。
あまりないですが、抜けを防止してコネクターを保護する親切設計はありがたい。その代わり本体ごと吹っ飛んでバッテリーがバラバラに散らばっていくんでしょうけど(笑)
INPUTに9V/2Aと5V/2Aと記載されていますが、9Vというのは米国のクアルコム(Qualcomm)社が開発した急速充電規格Quick ChargeのQC2.0に対応しており、上位互換性のあるQC3.0のACアダプターやモバイルバッテリーからも給電が可能です。
NP-F970互換バッテリーを充電してみた
AC-VQ1051Dで充電していたNP-Fバッテリーを外してNITECORE USN3 PROで充電を始めてみましたが、AC-VQ1051Dは片方ずつ充電をするリレーチャージであるのに対し、NITECORE USN3 PROでQC2.0または3.0で充電をすると、最大出力電流800mAまたは1200mAで2本同時に充電をする事ができます。
入力電圧5VのUSB給電の場合は標準モードでの充電となり、最大出力電流1000mAで片方ずつのリレーチャージで充電を行いますが、どちらにしてもACアダプターやモバイルバッテリーは付属しないので、別途準備しておく必要はあります。
LCDにはバッテリー電圧、充電電流、充電を開始した時からの充電量などの情報がリアルタイムで表示され、バッテリーの状態を確認しながら充電が可能。
また、Good・Normal・Poorで表示するバッテリーヘルス検出機能も搭載し、バッテリーの劣化や接触不良を検出して撮影時の給電トラブルを回避する素晴らしい機能が搭載されています。
2つのスロット両方にNP-F970互換バッテリーを入れてQC3.0対応のACアダプターで充電しましたが、ほぼ空の状態から約8時間ほどでほぼ満充電となりましたので、ソニーのAC-VQ1051Dの3分の1以下の時間で2つのバッテリーを充電をする事ができました。
NITECORE USN PRO3の欠点
充電電流の自動調整機能があるので大丈夫なのかもしれませんが、NITECORE USN PRO3はバッテリーの温度をモニタリングするT端子が備わっていない点は少々気になるけど、大容量のNP-F970バッテリーも問題なく充電ができています。
サードパーティ製充電器でT端子が機能していないのはどこも似たり寄ったりなのですが、急ぎじゃない場合は極力ソニー純正チャージャーを使っておいた方が良いと思います。
これも理由があるのですが、ソニー純正チャージャーはT端子からバッテリー温度を検出して充電しているのと、満充電にしないでバッテリーの寿命を延ばす実用充電モードが備わっているからです。
もう一点が抜け止め防止機構が備わっていて絶賛したUSB端子に対して、あっさりとバッテリーが抜けやすい充電スロットです。
前述した通りに、本体ごと吹っ飛んでバッテリーがバラバラに散らばっていくというのは、その事なのですが、ちょっとバッテリーを動かしただけでも接触不良を起こしてしまうのは残念・・。
しかし、Amazonレビューに記載されていた液晶モニターが消えるというトラブルは今の所ありません。
NITECORE USN PRO3と純正チャージャー併用の方が良いかも?
リチウムイオンバッテリーは満充電と空っぽにして保管しておくと寿命が短くなる特性を持っているので、すぐに使用しない場合は満充電にするのは避けた方が良いらしい。
急速充電が可能なNITECORE USN PRO3はフル充電の選択肢しかないので、バッテリーの寿命を延ばすなら8割ほど充電してからソニー純正チャージャーに切り替えて実用充電で充電をした方が良いのかもしれません。
まとめ
燃費が悪いBMPCC6Kを使っていると本当にバッテリーが何本あっても足りない状態が続くので、撮影の合間に使用する充電器としては重宝しそうです。
ACアダプター以外にもQuick Chargeに対応したモバイルバッテリーからも給電が出来る汎用性の高さと、2スロット同時に充電できる急速充電の早さと価格の安さにはとても驚いています。
新たに購入した方が早そうですが、製品登録をして保証もしてもらえるので購入後は是非登録を!
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