Sony FX3の情報がリークしている中で、発表当日までAppleが情報を漏らした事以外では全く情報がなかったBlackmagic design(ブラックマジックデザイン)の最新機種がBMPCC6K PROであると2021年2月18日深夜に正式発表がありました。
ライブ中継を見ていても英語はほとんどわからなかったのですが、発表された内容をまとめてみました。
記事内の目次
BMPCC6K PROの特徴!実質マイナーチェンジか?
引用 : Blackmagic design | Blackmagic Pocket Cinema Camera
既にBlackmagic Design社からは小型シネマカメラBMPCC4Kと6Kが既に販売されている事はご存じの方が多いとは思いますが、今回発表されたBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K PRO(BMPCC 6K PRO)は、既存機種であるBMPCC4K/6Kのマイナーチェンジ版とも言えます。
既存ユーザーが不満を抱え特に要望が多かったと思われる機能を改善しての発表となったわけですが、私の印象としては発売から2年~3年程度しか経過していないBMPCC4K/6Kユーザーが悲しまない程度の控えめな発表であったと感じられます。
以前からBlackmagic Pocket Cinema Cameraの4K版と6K版がラインナップに並んでいましたが、今回の発表で機能改善版の6K PROが登場する事になり、これからはBMPCC4K/6Kと機能改善版の6K PROの3機種がラインナップに並びました。
BMPCC 6KPROと既存機種の違い
内臓NDフィルターの搭載
引用 : Blackmagic design | Blackmagic Pocket Cinema Camera
今回発表になったBMPCC6K PROは、カメラ背面のボタンを操作して2-Stopから6-Stopまで段階的に減光できる4ポジションIR NDフィルター(クリア・2-Stop・4-Stop・6-Stop)が内臓されました。
既存機種ではNDフィルターを取り付けて減光をしないとシャッタースピード1/60や1/100で撮影をした際に明るすぎてしまう問題があったため、ロケーションに合わせてフィルターを交換する煩わしい作業が必要なくなります。
しかも、IRNDフィルターが赤外波長をカットしてくれる設計がされているようですので、無印の4K/6KでNDフィルターを使用した際に発生していたIR汚染が軽減されます。IRNDフィルターは3枚内臓されているわけではなく、2-Stop1枚と4-Stop1枚のNDフィルターが内臓されていて、6-Stopの場合は2-Stop+4-StopのNDフィルターがイメージセンサー前面を覆うような設計であるようです。
チルト式1500nitHDRディスプレイの搭載
引用 : Blackmagic design | Blackmagic Pocket Cinema Camera
BMPCC4K/6Kの内臓背面モニターは固定式であるのと、明るい場所ではとても見にくかったのもあって外部モニター必須と言われるぐらいでしたので、改善要望は多かった事でしょう。
今回発表のあったBMPCC6K PROは背面液晶のチルト化と1500nit高輝度LCDモニターに変更になりましたので、明るい太陽光の下でもローアングル・ハイアングル自由自在に撮影が可能になるかと思われます。
しかもオプションでビューファインダーも取り付けられるようになったのも大きな改善点です。
Mini XLR端子が2つに増えていた
引用 : Blackmagic design | Blackmagic Pocket Cinema Camera
BMPCC4K/6Kでは1系統しかなかったミニXLRオーディオ入力ですが、BMPCC6K PROでは2系統に増えてたので、左右で独立したステレオマイクの入力が可能になります。
外部音声入力と内蔵マイクの弱さは気になっていた部分ではありましたが、どうやらここも改善されていたようです。
URSA Mini Pro 12Kと同じ第5世代カラーサイエンスの採用
引用 : Blackmagic design | Blackmagic Pocket Cinema Camera
2020年に販売開始となったBlackmagic URSA Mini Pro12Kでは、最新の第五世代カラーサイエンスを採用していましたが、今回発表になったBMPCC6K PROでも採用される事になりました。
既に編集ソフトのDaVinci Resolveが第5世代のカラーサイエンスに対応していたので、第4世代カラーサイエンスを採用しているBMPCC 6Kで収録した映像を第5世代に変更をする事は可能だったのですが、今までURSA Mini Pro12Kだけが対応していたカラーサイエンスをBMPCC6Kシリーズで採用したのは朗報です。
特にスキントーンが綺麗になっているとの事ですが、ビビッド気味だった赤系の色も落ち着いた発色になっています。
しかし、ダイナミックレンジは13-Stopのままなので、本来15ストップ以上まで対応しているガンマカーブに対応しきれず、上と下が余ってしまっているのは少々気になる所。
DaVinci ResolveのカメラRAWでカラーサイエンスをGEN4からGEN5に切り替えるだけでもこのぐらい違いますし・・。
引用 : Blackmagic design Youtube Channel ATEM Mini & カメラアップデート
と思いきや、BMPCC4K/6Kユーザーにも朗報です。
BMPCC4K/6Kでも第5世代カラーサイエンスが使用できるファームウェアBlackmagic Cameras 7.3を開発中らしい!
まだ完成はしていないので最終的にどうなるかはわかりませんが、最新機種を発表したついでに既存ユーザーが使用しているカメラの延命を発表するとは流石BMDです。
スペックとまとめ
BMPCC 6K PROでは、以前のLP-E6からバッテリーを大型化してSonyのNP-F570が標準装備になりましたが、BMPCC4K/6Kシリーズの消費電力では気休め程度の大容量化ですので、外部から給電をした方が確実である事には変わりはないと思います。
イメージセンサーや基本的な性能はBMPCC6Kのままなので、6K PROで改善した箇所を使用したい人以外は特に買い替える必要は無さそう。
ソフトウェアのアップデートで実質延命措置となったBMPCC4K/6Kと機能改善版の6K PROがラインナップに並んだ事で3機種から選べるようになっただけだったのは既存ユーザーとしては嬉しい知らせでした。
価格は税抜きでBMPCC 4Kで¥147,800・BMPCC 6Kで¥226,800、今回発表となった6K PROが¥283,800となります。
高感度性能が弱いのとローリングシャッター歪みが強めに出るのは少々気になりますが、Blackmagic Design製のカメラは元々色が綺麗なので、これで本当にいいのかな?って不安になるぐらいカラーグレーディングが楽なのはBMD品質なのでしょう。
AFや手振れ補正を犠牲にしても、色と質感にこだわりたい人にはとてもオススメのカメラです。
SENDAI松島離宮光のページェント
DaVinci Resolveは編集時にカラーサイエンスをGen5に切り替えられるのでBMPCC 6Kでも第5世代カラーサイエンスでカラコレできていました。その際に製作した動画がこちらです。
BMPCC6K PROのスペック
有効センサーサイズ | 23.10mm x 12.99mm(スーパー35mm) |
レンズマウント | アクティブ方式EFマウント |
レンズコントロール | アイリス、フォーカス、ズーム(対応レンズ使用時) |
ダイナミックレンジ | 13ストップ |
デュアルネイティブISO | 400および3200 |
撮影解像度 | 50fpsまでの6144 x 3456 (6K)、 60fpsまでの6144 x 2560 (6K 2.4:1)、 60fpsまでの5744 x 3024 (5.7K 17:9)、 60fpsまでの4096 x 2160 (4K DCI)、 60fpsまでの3840 x 2160 (Ultra HD)、 60fpsまでの3728 x 3104 (3.7K 6:5 アナモルフィック)、 120fpsまでの2868 x 1512 (2.8K 17:9)、 120fpsまでの1920 x 1080 (HD)、 |
フレームレート | 最大センサーフレームレートは選択した解像度およびコーデックによる。23.98、24、25、29.97、30、50、59.94、60fpsのプロジェクトフレームレートをサポート。 6K 2.4:1で60fpsまで、2.8K 17:9および1080HDで120fpsまでのオフスピードフレームレート。 |
内蔵NDフィルター | 4ポジションNDフィルター(クリア、2-stop、4-stop、6-stop IR NDフィルター) |
フォーカス | 互換性のあるレンズでオートフォーカスが可能(コンティニュアスAFは未搭載) |
アイリスコントロール | アイリスホイールおよびタッチスクリーンスライダーで電子制御可能なレンズのマニュアルアイリス調整。Irisボタンで互換性のあるレンズの自動アイリス設定。 |
スクリーンサイズ | 5インチ – 1920 x 1080 |
スクリーンの明るさ | 1500nits |
スクリーンタイプ | 容量性LCDタッチスクリーン |
メタデータサポート | 電子EFレンズからレンズデータを自動的に追加。カメラ設定およびスレートデータ(プロジェクト、シーン番号、テイク、メモなど)を自動記録。3D LUTもBlackmagic RAWファイルのメタデータにエンベッド可能。 |
コントロール | 5インチスクリーンのタッチスクリーンメニュー。電源スイッチ x1、録画ボタン x1、スチルボタン x1、ハンドグリップのプッシュ可能なスクロールホイール x1、ISOボタン x1、ホワイトバランス x1、シャッターボタン x1、ソフトウェア・コンフィギュレーション可能なFnボタン x3、NDフィルターボタン x2、フォーカスボタン x1、アイリスボタン x1、高フレームレート(HFR)ボタン x1、ズームボタン x1、メニューボタン x1、再生ボタン x1。 |
タイムコードクロック | 高精度のタイムコードクロック。8時間ごとに1フレーム未満の誤差 |
ビデオ出力合計 | HDMI(1080p60まで) x1 |
アナログオーディオ入力 | ミニXLRアナログ x2(ファンタム電源対応のMicおよび最大+14dBuまでのLineで切り替え可能)、3.5mmステレオ入力 x1、タイムコード入力にも使用可能 全オーディオ入力はタイムコード入力に使用可能。 |
アナログオーディオ出力 | 3.5mmヘッドフォンジャック x1 |
コンピューターインターフェース | USBタイプC(外付けドライブへの収録、PTPカメラコントロール、ソフトウェアアップデート用) |
マイク | ステレオマイク内蔵 |
内蔵スピーカー | モノスピーカー x1 |
メディア | CFastカードスロット x1、SD UHS-IIカードスロット x1、USB-C 3.1 Gen 1拡張ポート x1(外付けメディアへのBlackmagic RAWおよびProRes収録用) |
メディア | exFAT(Windows/Mac)またはHFS+(Mac)にフォーマット可能 |
コントロール | Blackmagic Zoom DemandおよびBlackmagic Focus Demandでカメラおよびレンズを三脚のハンドルから制御可能。 iPadコントロール、Bluetoothコントロール、USB PTPカメラコントロール 互換性のあるATEMおよびATEM Software Controlと共に使用する際に、一部のカメラ設定、互換性のあるレンズでフォーカス、アイリス、ズームをリモートコントロール可能。さらに、カラーコレクター、タリー、内部収録の開始および停止も外部からコントロール可能。 |
ストレージタイプ | CFast 2.0 x1 SD UHS-IIカード x1 高速USB-C拡張ポート(外付けメディア用) x1 |
収録フォーマット | Blackmagic RAW 3:1、5:1、8:1、12:1、Q0、Q1、Q3、Q5(Film/Video/Extended Videoダイナミックレンジのいずれか、またはメタデータにエンベッドされたカスタム3D LUT)6144 x 3456、6144 x 2560、5744 x 3024、4096 x 2160、3728 x 3104、2868 x 1512。 ProRes(Film/Video/Extended Videoダイナミックレンジのいずれか、またはカスタム3D LUT)4096 x 2160、3840 x 2160、1920×1080 |
同梱ソフトウェア | Blackmagic OS MacおよびWindows対応のDaVinci Resolve Studio(アクティベーションキー) Blackmagic Camera Setup Blackmagic RAW Player Blackmagic RAW QuickLook Plugin Blackmagic RAW SDK Blackmagic RAW Speed Test |
オペレーティングシステム | Mac 10.15 Catalina、Mac 11.1 Big Sur あるいはそれ以降のバージョン Windows 10、11. |
電源 | 外部12V電源 x1 (2ピン固定コネクター x1) |
バッテリータイプ | NP-F570 |
製品保証 | 12ヶ月限定メーカー保証 |
ブラックマジックデザイン 【国内正規品】シネマカメラ Pocket Cinema Camera 6K Pro EFマウント 6K/50P収録
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