2023年8月5日に山形県酒田市の最上川河川公園で開催された「酒田の花火 全国二尺玉花火競技大会」を観覧・撮影してきました。酒田の花火は、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年と2021年が中止となり、2022年も山形県置賜地方の記録的大雨による最上川の増水と会場の冠水で開催を断念。2023年は4年ぶりの復活を果たし、全国初となる二尺玉の花火競技大会や打ち上げ幅1.5kmのワイドスターマインなど、約10,000発の花火が酒田の夜空を彩りました。今回は、全国の花火師が技術と芸術性を競い合った二尺玉の競技大会をはじめ、見どころや観覧会場の様子、グランドフィナーレまで収録した4K HDR映像をご紹介します。
昭和4年から続く歴史がある酒田の花火
山形県酒田市で開催される「酒田の花火」は、1929年(昭和4年)に酒田港が第2種重要港湾に指定されたことを記念して、最上川で祝賀花火を打ち上げたのが始まりです。花火大会はその後も地域の恒例行事として受け継がれ、戦時中の中断を経て1947年に再開。酒田港まつりの花火大会として長年親しまれてきました。
2003年には打ち上げ会場を現在の最上川河川公園へ移し、最上川河口付近の広大な河川敷を利用したダイナミックな花火ショーへと発展しました。2011年には打ち上げ幅約1,500m、展開幅約2,000mという日本最大級のワイドスターマインが登場し、尺玉や二尺玉を組み合わせた壮大な演出が酒田花火ショーの名物となりました。
2023年は従来の花火ショーを中心とした構成から、全国の有名煙火店が二尺玉の美しさと完成度を競い合う「全国二尺玉花火競技大会」へと大きく転換。長い歴史を持つ酒田の花火に、新たな魅力が加わった大会となりました。
観覧会場は原則として有料観覧席となっていますが、2023年は最上川下流側に入場制限区域外の自由(無料)観覧エリアも設けられていました。ただし、無料観覧エリアは有料席と観覧位置が異なるため、花火の正面からワイドスターマイン全体を楽しみたい場合は、有料観覧席の利用がおすすめです。
また、有料観覧エリア内の設備を利用できないなどの制限があるほか、無料観覧エリアへの入場経路も限られていました。大会指定駐車場についても利用条件が設けられているため、観覧席や駐車場の確保は事前に確認しておく必要があります。
酒田の花火の見どころ
2023年の酒田の花火は、全国初開催となる二尺玉の花火競技大会に加え、有名煙火店3社によるコラボレーションスターマインや、打ち上げ幅1.5kmのグランドフィナーレなど、大型花火ならではの迫力と芸術性を楽しめる内容でした。
初開催の全国二尺玉花火競技会
酒田の花火では、以前から「二尺玉博覧会」などの名称で大型花火の打ち上げが行われていましたが、2023年は全国で初めて二尺玉を競技対象とする「全国二尺玉花火競技大会」が開催されました。
二尺玉は直径約60cmの大型花火玉で、打ち上げ高度は約500m、開花すると直径約480mもの大輪が夜空に広がります。一般的な花火大会で打ち上げられる尺玉よりもはるかに大きく、開花した瞬間の迫力はもちろん、花火の芯や星の変化、色彩の美しさなども大きな見どころです。
今回の競技大会には全国8社の煙火店が参加し、地元山形県の安藤煙火店が審査基準となる標準審査玉を担当しました。競技は前半と後半に分かれて行われ、全国の花火師が製作した芸術性の高い二尺玉を次々と観賞することができました。
10号玉(尺玉)や創造花火などの競技会は全国各地で開催されていますが、二尺玉だけで美しさや完成度を競い合うという試みは非常に斬新です。大型花火ならではの迫力に加え、精巧な芯の構造や色の変化、星の配列など、それぞれの煙火店が持つ技術の違いを楽しめる点にも魅力を感じました。
一方、二尺玉は製造費用が高額なうえ、競技では1発ずつ打ち上げて審査を行うため、スターマインのような連続打ち上げを期待している方には、プログラムの間隔が長く感じられたかもしれません。
実際に観覧していても、アナウンスや審査結果の発表に費やす時間が比較的長く、花火大会全体の開催時間に対して、実際に花火が打ち上がっている時間は短い印象を受けました。
ただし、精巧に製作された1発の花火をじっくりと観賞できるのは競技大会ならではの楽しみ方です。通常の花火ショーとは異なる魅力があり、今後も続いてほしいと感じる新しい試みでした。
奇跡のコラボレーションスターマインが美しかった
第5部の「奇跡のコラボレーション 2023 Change!!」では、パステルカラーの美しい花火で知られる齊木煙火本店(山梨県)、二尺玉や大型スターマインを得意とする伊那火工堀内煙火店(長野県)、花火の神様と呼ばれた青木儀作氏の流れをくむ紅屋青木煙火店(長野県)の3社が合同で打ち上げを担当しました。
全国的にも高い評価を受けている煙火店3社による豪華な共演で、最上川の広大な打ち上げ会場を生かしたワイドミュージックスターマインが披露されました。
繊細なパステルカラーの花火から、鮮やかな色彩が広がるスターマイン、夜空いっぱいに開花する大型花火まで、各社の特徴を生かした演出が音楽と美しくシンクロ。花火の色彩や開花のタイミング、音楽との一体感など、現代の芸術花火が持つ魅力を存分に感じられる素晴らしいプログラムでした。
特に印象的だったのは、花火の星が描く繊細な色の変化と、広大な夜空を利用した立体的な演出です。華やかなスターマインでありながら、一つひとつの花火の美しさも楽しめる内容で、個人的には今回の酒田の花火で特に印象に残ったプログラムとなりました。
ちなみに、夢中になって観覧していたためか、写真撮影ではシャッターを切りっぱなしにしてしまい、記録されていたシャッタースピードはなんと853秒。気がついたら最初から最後まで長時間露光していたようです(笑)。
打ち上げ幅1.5kmの壮大なグランドフィナーレ
酒田の花火を代表する名物プログラムといえば、最上川河口の広大な河川敷を利用した超ワイドスターマインです。2023年のグランドフィナーレ「転生」でも、打ち上げ幅約1,500mという壮大なスケールの花火が披露されました。
2011年から続くこのワイドスターマインは、最大40か所もの打ち上げ地点を利用した演出が特徴で、広範囲に次々と開花する花火が観覧席から見える夜空を埋め尽くします。
クライマックスでは10号玉(尺玉)の連続打ち上げに加え、巨大な二尺玉が3か所から同時に打ち上げられるという、酒田ならではの圧巻の演出が行われました。
一斉に開花する大玉花火の迫力と、夜空を横一線に彩るワイドスターマインの美しい光景は、酒田の花火のスケールの大きさを実感できる瞬間でした。
打ち上げ地点が非常に広いため、観覧席からは視界に収まりきらないほどの花火が展開します。大玉花火の開花音や打ち上げの臨場感とともに、広大な会場を生かしたダイナミックな演出を楽しめるのが酒田の花火の大きな魅力だと思います。
2023年 酒田の花火 全国二尺玉競技会の映像
【4K HDR】2023年 酒田の花火 日本唯一の全国二尺玉競技大会 全プログラム
2023年8月5日に開催された「酒田の花火 全国二尺玉花火競技大会」の全プログラムを収録した4K HDR映像です。
全国8社の煙火店が競い合った二尺玉の打ち上げをはじめ、奇跡のコラボレーションスターマインや、打ち上げ幅1.5kmのグランドフィナーレ「転生」まで、大会の見どころを高画質な4K HDR動画でご覧いただけます。
HDR映像ならではの豊かな階調と色彩表現によって、暗い夜空に広がる花火の鮮やかな発色や、繊細な星の変化、明るい大玉花火の美しさなどを楽しめるように仕上げました。
また、動画の概要欄には各プログラムと煙火店ごとのタイムスタンプを掲載しているため、見たい花火のシーンへ直接移動することもできます。
2023年 酒田の花火 4K HDR映像 プログラム
0:00 第1部 グランドオープニング「復活」
第2部 全国二尺玉花火競技大会 前半
4:14 安藤煙火店 (山形県) 昇曲導付三度変化芯菊先五度変化菊
4:36 新潟煙火工業㈱ (新潟県) 錦冠千輪
5:03 アルプス煙火工業㈱ (長野県) 昇り曲導付八重芯虹入り万華鏡
5:28 根岸火工㈲ (埼玉県) / 昇銀龍大輪五色千輪牡丹
5:49 ㈲伊那火工堀内煙火店 (長野県) / 昇り曲導付三重芯金閃大冠先黄点滅
6:17 第3部 スペシャルスターマイン 酒田市民花火「酒田の夜」
第4部 全国二尺玉花火競技大会 後半
9:54 ㈱紅屋青木煙火店(長野県) / 八重芯錦冠菊花模様咲き
10:28 阿部煙火工業㈱(新潟県) / 昇曲導小花咲八重芯金閃冠
11:05 響屋大曲煙火㈱(秋田県) / 昇小花十五段付八重芯光のウエーブ
11:30 ㈲菊屋小幡花火店(群馬県) 里山の忘れ柿
11:55 第5部 スターマイン「奇跡のコラボレーション 2023 Change!!」
15:33 第6部 グランドフィナーレ 「転生」
2023年 酒田の花火 ライブ配信アーカイブ
花火大会当日は、現地からフルHD画質でのライブ配信も行いました。通信環境の安定性を確保するために2回線ボンディングを使用し、配信開始からグランドフィナーレまで通信が途切れることなく映像をお届けできました。
ライブ配信のアーカイブでは、4K HDR版とは異なり、プログラムの合間のアナウンスや審査の時間なども含めた、当日の会場の雰囲気を楽しむことができます。
なお、ライブ配信のチャットについては公開を終了させていただきました。
当日は、山形県内の赤川花火大会との比較や、競技大会のプログラム間隔が長いといったコメントが多く寄せられました。確かに、連続して花火が打ち上がる従来の花火ショーとは構成が大きく異なるため、物足りなさを感じた方もいたのではないかと思います。
個人的にも、二尺玉の競技という新しい試みは評価したい一方で、花火が打ち上がっていない時間の長さについては、今後の改善に期待したい部分もありました。
赤川花火大会は全国的にも知名度が高い花火大会ですが、酒田には1,500mの超ワイドスターマインや、二尺玉を複数地点から同時に打ち上げられる広大な会場という、ほかの花火大会にはない魅力があります。
全国二尺玉花火競技大会という新しい挑戦も始まったばかりですので、今後さらに魅力的な花火大会へと発展していくことを期待しながら、引き続き応援していきたいと思います。
2023年 酒田の花火 ライブ配信アーカイブ プログラム
0:00 ライブ配信スタート
20:57 第1部 グランドオープニング「復活」
27:40 第2部 全国二尺玉競技大会 前半
39:41 第3部 スペシャルスターマイン 酒田市民花火「酒田の夜」
47:35 第4部 全国二尺玉競技大会 後半
1:03:00 第5部 スターマイン 「奇跡のコラボレーション 2023 Change!!」
1:15:50 第6部 グランドフィナーレ「転生」
撮影・録音機材
Camera : Blackmagic pocket Cinema Camera 6K (BMPCC6K)
Lens : SIGMA 10-20mm
Michrophone : MXL CR21
Recorder : ZOOM F3
酒田花火ショー 交通アクセスや日程情報
2023年の「酒田の花火 全国二尺玉花火競技大会」は、山形県酒田市の最上川河川公園特設会場で開催されました。JR酒田駅からはシャトルバスが運行され、日本海東北自動車道の酒田ICからも比較的近い場所にあります。
ただし、花火大会当日は会場周辺で交通規制が実施されるため、自家用車を利用する場合は指定駐車場の利用条件や交通規制の範囲を事前に確認する必要があります。
以下は2023年開催時点の会場情報と有料観覧席料金です。
| 開催会場 | 東北地方/山形県酒田市落野目 最上川河川公園 |
| 開催日時 | 2023年8月5日 19:30~21:00 |
| 打ち上げ数・最大号数 | 約10,000発・20号玉 |
| 有料観覧席 | Sマス席(4名) 20,000円 Aマス席(4名) 18,000円 P席(2名)16,000円 C席(2名)14,000円 Dエリア(1名)5,000円 カメラマン席(1名)6,000円 Bエリア(1名)6,000円 車いす席 (1名) 3,500円 (補助者も1名あたり同額、最大4名まで) |
| 駐車場 | 有料席券購入者専用 |
| 交通アクセス | JR酒田駅 下車 シャトルバス乗車 約10分 日本海東北道 酒田ICから車で約10分 |
| マップコード | 90 821 240*56 |
| 関連ウェブサイト | 酒田港まつり・酒田花火ショー |











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