2018年8月11日に日本全国14都道府県全26箇所で行われた「LIGHT UP NIPPON」から、宮城県名取市の閖上会場です。2011年3月11日の東日本大震災からの復興への祈りと犠牲者慰霊の花火を打ち上げようと東北地方沿岸部を中心に毎年企画されている花火大会です。
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LIGHT UP NIPPON 2018 in 閖上会場-東日本大震災後初の打ち上げ花火
花火開始前の様子
2018年のLIGHT UP NIPPONは、日本全国の14都道府県全26箇所で開催となり、宮城県では気仙沼市・雄勝町大須・名取市閖上での開催となりましたが、今年は東日本大震災後の花火大会が初開催となった名取市閖上地区に行ってみる事にしました。
閖上地区は、閖上赤貝や笹かまぼこ発祥の地として知られる名取市沿岸部の港町で、2011年3月11日の東日本大震災で標高6.3メートルの日和山を約2.1メートル超える大津波に襲われ、約800人の住民が犠牲となった場所です。
震災前には、昭和47年から続くなとり夏まつりを開催して花火を打ち上げていた場所としても知られていましたが、こちらも震災による被害を受けて場所を移転しての開催となっており、Light Up Nipponの開催決定によって東日本大震災後初めてとなる閖上地区での花火打ち上げとなりました。
日和山山頂にある閖上湊神社と富主姫神社は8.4メートルの津波で一度は流失したものの、現在は再建して新しい社殿も建てられています。
アニメ映画「君の名は。」を制作した新海誠監督が、東日本大震災後に閖上を訪れた際に日和山のスケッチを描いており、同映画の起点となった場所であると公式に発表しています。
東日本大震災の震災遺構として保存されている佐々直は、宮城県の名産品である笹かまぼこの製造販売をしている創業明治23年の老舗で、震災時の津波で1階部分は損壊してしまいました。
漁師町である閖上は、佐々直以外にも住宅地がありましたが、上の写真のように更地となってしまっています。
閖上地区で犠牲になった方々の鎮魂を願い建てられた慰霊碑は、震災遺構の佐々直の隣に建てられていて、震災から7年が経過した現在でも手を合わせに来る方が絶えません。
2018年10月3日追記:佐々直の閖上工場は震災遺構となっていましたが、2018年10月11日付けで取り壊しになる事が決定したそうです。この花火が佐々直閖上工場にとって最初で最後となってしまったのが、とても悔やまれます。
LIGHT UP NIPPONの花火が全国同時に打ち上がる。
LIGHT UP NIPPONは、東日本大震災からの復興への祈りと犠牲者の慰霊を目的としていて、毎年8月11日に全開催場所同時の19時30分から花火の打ち上げを開始いたします。
東日本大震災前は「なとり夏まつり」が開催されていた閖上地区は、震災後からは花火の打ち上げ場所を内陸に移転して行われているため、7年間は花火が一発も上がっていなかったのですが、LIGHT UP NIPPONの開催で震災後初となる花火が打ち上がりました。
その地で花火が揚がった記録や東日本大震災からの復興はまだまだであるという記録を残したいという思いもあり、メイン会場の災害公営住宅周辺ではなく震災遺構周辺から撮影をスタートしています。
東日本大震災犠牲者慰霊碑前からも撮影。花火は、5号までのスターマインや連発打ちが中心となり、約500発の慰霊の花火が夜空に打ち上がります。
ラストは閖上のシンボルとも言える日和山の前から撮影。錦冠菊のスターマインが盛大に打ち上がり約30分の花火打ち上げのフィナーレを飾ります。
LIGHT UP NIPPON 閖上の花火映像
2018年 LIGHT UP NIPPON in 閖上会場
移動しながら動画も撮影していたため、全ての花火を撮影する事はできていませんが、約14分間にまとめた花火動画となっていますので、是非ご視聴いただければ嬉しいです。
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