山梨県西八代郡市川三郷町で、2022年8月7日に第34回「神明の花火大会」が開催されました。新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年は大会が中止となり、2021年は無観客での短時間の花火打ち上げにとどまっていましたが、2022年は感染防止対策を講じたうえで、2019年以来3年ぶりとなる有観客開催が実現しました。
山梨県内でも最大級の規模を誇る神明の花火大会では、約20,000発の打ち上げ花火をはじめ、直径約500メートルに開花する二尺玉、煙火店の技術を競う競技花火、音楽と花火がシンクロするワイドミュージックスターマインなどが披露されました。この記事では、神明の花火大会の歴史や2022年の見どころ、実際に有料観覧席から撮影した写真と4K映像をご紹介します。
市川の花火の歴史
「神明の花火大会」の前身とされる甲州・市川の花火は、戦国時代に武田氏が軍事的な情報伝達に使用していた狼煙(のろし)の技術が起源と伝えられています。また、古くから和紙の産地として知られる市川の地に、紙漉きの技術を伝えた甚左衛門との深い関わりもあります。
平安時代、京都から甲斐国を訪れた紙漉き名人の甚左衛門は、優れた和紙の製造技術を市川の人々に伝え、地域の発展に貢献しました。その功績をたたえて甚左衛門を神明社に祀り、命日にあたる7月20日を祭礼日として盛大に花火を打ち上げたことが、神明の花火の始まりとされています。
その後、江戸時代の元禄・享保年間には花火の製造技術が発展し、甲斐国の「市川の花火」は、常陸国の「水戸の花火」、三河国の「吉田の花火」と並び、当時の「日本三大花火」の一つに数えられるほどの賑わいを見せました。
市川の花火は恋人たちの出会いの場としても親しまれ、「七月おいで盆過ぎて 市川の花火の場所であいやしょ」という唄が残されています。市川の花火を一緒に見ると幸せになれるという言い伝えもあり、花火が地域の人々の暮らしや文化に深く根付いていたことがうかがえます。
神明の花火大会の歴史
江戸時代に大きな賑わいを見せた市川の花火は、時代の移り変わりとともに一度途絶えてしまいましたが、1989年(平成元年)8月7日、「いま甦る神明の花火」を掲げて復活しました。
現在の「神明の花火大会」は、旧市川大門町の「ふるさと夏祭り」を構成するイベントの一つとして第1回大会が開催され、当時は三郡橋上流側で花火を打ち上げ、富士見公園周辺や堤防などから観覧していたそうです。
1990年(平成2年)の第2回大会では、花火の打ち上げ場所と観覧会場を現在の三郡橋下流・笛吹川河畔へ移し、約15,000発の花火を打ち上げました。翌1991年の第3回大会では、神明の花火大会として初めて二尺玉の打ち上げと花火競技コンテストが行われ、1993年の第5回大会には打上数が約20,000発に到達するなど、年々規模を拡大していきました。
こうして復活した神明の花火大会は、地元の煙火店が受け継いできた伝統技術と新しい演出を融合させ、全国から多くの花火ファンが訪れる山梨県を代表する大規模な花火大会へと発展しました。
2022年の神明の花火大会
2022年8月7日に開催された第34回神明の花火大会は、新型コロナウイルス感染症の影響による通常開催の中断を経て、3年ぶりに観客を迎えての開催となりました。
大会テーマは「神明の花火×SDGs~持続可能な花火大会を目指して~」。環境に配慮した花火の製造や資源の有効活用などを通じ、伝統ある花火大会を次の世代へ受け継いでいこうという趣旨でした。個人的には、花火の演出とSDGsとの結びつきが少し分かりにくい印象も受けましたが、長く大会を継続していくための新たな取り組みとして注目されるテーマだったと思います。
久しぶりに訪れた観覧会場では、以前と比べて笛吹川下流側の観覧エリアが広がり、ツアー団体専用エリアや有料観覧席が増えていました。しかし、人気の高さは相変わらずで、有料観覧席のチケットを購入するために電話をかけてもなかなか繋がらず、ようやく繋がった頃には希望する座席が売り切れている状況でした。
その後、チケットぴあで追加販売が行われたため、何とか有料観覧席を確保できましたが、購入できたのは下流側の端に位置する座席。希望していた撮影位置からは離れてしまったものの、3年ぶりに神明の花火を現地で観覧できることを楽しみに会場へ向かいました。
神明の花火大会では、市川三郷町に拠点を置く株式会社マルゴーと株式会社齊木煙火本店の2社が中心となって花火の製作と打ち上げを担当しています。
2022年の競技花火には、この2社に加えて株式会社山内煙火店、株式会社小口煙火、株式会社丸玉屋小勝煙火店の合計5社が参加し、それぞれの煙火店が独創的な色彩や形、演出を競い合いました。
競技花火では「彼岸花の咲く頃に」「夜空に描く光の三原色の世界」「未来へ突っ走れ!!」「献花~世界の平和を願って~」「ありがとう」の5作品が披露され、花火師の技術と個性が感じられる美しい花火が次々と夜空を彩りました。
神明の花火大会の見どころの一つが、最大で直径約500メートルにも開花する二尺玉です。2022年の大会では4発の二尺玉が打ち上げられ、巨大な花火が夜空いっぱいに広がる光景を楽しむことができました。
今回確保した有料観覧席は下流側の端でしたが、二尺玉の打ち上げ場所との距離が比較的近く、頭上に大きく広がる花火と体に響くような爆発音は迫力満点。写真や動画だけでは伝えきれない臨場感があり、現地で観覧する神明の花火ならではの魅力を改めて感じました。
大会後半の大型プログラム「テーマファイヤー」は、神明の花火を代表する見どころの一つです。2022年は株式会社齊木煙火本店が担当し、大会テーマである「神明の花火×SDGs~持続可能な花火大会を目指して~」に合わせた音楽花火が披露されました。
青色と黄色を基調とした花火が夜空に広がる場面は、ウクライナの国旗を思わせる印象的な演出でした。その後も音楽と花火の打ち上げタイミングが美しくシンクロするミュージックスターマインが続き、色鮮やかな花火が次々と打ち上がる幻想的な光景を楽しめました。
大会の最後を飾ったグランドフィナーレは、株式会社マルゴーが担当したワイドミュージックスターマイン。500メートルを超える打ち上げ幅を生かし、音楽に合わせて大輪の花火が左右へ広がる圧巻のプログラムでした。
2022年のグランドフィナーレは比較的ゆったりとした音楽に合わせた演出で、激しい連続打ち上げによる派手さよりも、一発一発の花火が持つ色彩や形、開花するタイミングを丁寧に見せるような構成だったと思います。華やかな花火が広い夜空に重なり合う様子は、3年ぶりの有観客開催を締めくくるのにふさわしい美しさでした。
今回は希望する位置の観覧席を確保できず、撮影条件としては少々残念な結果になりましたが、それでも二尺玉や競技花火、テーマファイヤー、グランドフィナーレまで存分に楽しむことができました。
次回こそは良い観覧席を確保して、神明の花火の美しさと迫力をもっと理想的なアングルから撮影したいですね。
神明の花火大会の映像
2022年8月7日に開催された第34回神明の花火大会の様子を、オープニングからグランドフィナーレまで4K UHDの高画質映像で収録しました。
動画では、神明の花火名物である二尺玉の打ち上げをはじめ、5社の煙火店による競技花火、色鮮やかなミュージックスターマイン、株式会社齊木煙火本店が手掛けたテーマファイヤー、株式会社マルゴーによるグランドフィナーレなど、当日のプログラムを順番にご覧いただけます。
山梨県市川三郷町の夜空を彩った約20,000発の花火を、現地で撮影した映像とともにお楽しみください。動画のタイムスタンプから、見たい花火のプログラムを選んで再生することもできます。
【4K UHD】2022年 第34回 神明の花火大会 | 3年ぶり開催の神明花火 全プログラム収録
0:00 オープニング花火 提供: ㈱マルゴー・㈱齊木煙火本店
2:02 2尺玉 特大スターマイン 提供: ㈱二ノ宮機工
2:26 スターマイン 3ヶ所から 提供: 複数企業
3:21 10号5段2ヶ所から 提供: 複数企業
5:55 特大スターマイン 提供: ㈲峡南環境サービス
7:57 特大スターマイン・仕掛けあり 提供: 道の駅 富士川
9:53 超特大スターマイン・2尺玉・仕掛けあり 提供: 建築工房 檜家
12:42 競技花火 彼岸花の咲く頃に
15:07 競技花火 夜空に描く光の三原色の世界
17:40 競技花火 未来へ突っ走れ!!
19:52 競技花火 献花~世界の平和を願って~
22:07 競技花火 ありがとう
24:40 特大スターマイン・仕掛けあり 提供: ㈱はくばく
26:53 特大スターマイン 提供: ㈱トレードトレード
28:39 2尺玉 提供: みさき薬局・㈱エム・クラフト
29:06 特大スターマイン 提供: 丸栄情報システム㈱・山九システム㈱
30:53 特大スターマイン 提供: JA山梨みらい・クリスタルホール
32:24 メッセージ付き花火
39:22 特大スターマイン 提供: JR東海
41:02 特大スターマイン 提供: エコ・フカサワ
42:22 大玉連発スターマイン 提供: 複数企業
44:05 特大スターマイン ㈱YSK e-com
45:38 特大スターマイン 提供: UTYテレビ山梨
47:36 特大スターマイン 提供: ㈱マルアイ
49:21 超特大スターマイン 提供:みたまの湯 ホテル内藤グループ
50:53 テーマファイヤー「神明の花火×SDGs」~持続可能な花火大会を目指して~ 提供: 複数企業
57:12 2尺玉・スターマイン 提供:㈲峡南環境サービス
58:22 神明の花火グランドフィナーレ 提供:市川三郷町
神明の花火大会 交通アクセスや日程情報
2022年の第34回神明の花火大会は、山梨県西八代郡市川三郷町の三郡橋下流、笛吹川河畔を会場として、8月7日の19時15分から開催されました。
会場の最寄り駅はJR身延線の市川大門駅で、駅から観覧会場までは徒歩約10分です。車の場合は中央自動車道の甲府南IC、または中部横断自動車道の増穂ICからアクセスできますが、花火大会当日は周辺道路の混雑や交通規制が行われるため、移動には十分な余裕が必要です。
以下に、2022年開催時の大会概要、有料観覧席の料金、駐車場、交通アクセスなどの情報をまとめました。
| 開催場所 | 甲信越地方/山梨県西八代郡市川三郷町 |
| 開催日時 | 2022年8月7日 19:15~21:00 |
| 花火打ち上げ数 | 20,000発 |
| 担当煙火店 | ㈱マルゴー・㈱齊木煙火本店・㈱山内煙火店・㈱小口煙火・㈱丸玉屋小勝煙火店 |
| 観覧場所 | 有料観覧席 シート席(10名)35,000円・(4名)16,000円・(2名)8,000円 階段席 最上段席 4,000円・最上段席以外3,000円 イス席 前売り 4,000円 当日券 5,000円・無料観覧席 |
| 駐車場 | 会場周辺 約4,000台 |
| 交通アクセス | 中央自動車道甲府南IC~国道140号経由 約10㎞ 中部横断道増穂ICより 約3km JR身延線市川大門駅から徒歩約10分 |
| マップコード | 312 823 009*67 |
| 関連ウェブサイト | 神明の花火 |
この記事に掲載している開催日時、有料観覧席の料金、駐車場などは、2022年の第34回神明の花火大会に関する情報です。開催年によって内容が変更される場合があるため、別の年に観覧を予定されている方は、公式ホームページで最新の開催情報をご確認ください。










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