秋田県大仙市の大曲の花火公園で2025年8月30日に開催予定の大曲の花火 全国花火競技大会は、全国の花火師が製作した芸術的な花火の数々や視界を埋め尽くす圧巻のプログラム、大会提供花火が楽しめる花火の競技大会です。
有料観覧席は既に1次販売が行われていますが、まだまだ観覧席には余裕がある模様です。
大曲の全国花火競技大会の歴史
花火の街として名高い秋田県大仙市で開催している大曲の花火 全国花火競技大会は、1910年(明治43年)に始まった「第1回奥羽六県煙火共進会」が前身となり、東北の有名花火師が一堂に会して花火を打ち上げるものでした。
花火先進地でもあった三河国花火共進会(現・愛知県)を同時に開催した事で、参加した花火師達は三河国の花火製造技術の進歩に驚き、その技術を習得しようと1915年(大正4年)に「全国煙火競技大会」と名称を改めた事が現在の「全国花火競技大会」の基礎となっています。
大曲全国花火競技大会とは?
毎年8月の第4土曜日に秋田県大仙市の雄物川河川敷(大曲花火大橋下流)で行われている全国花火競技大会は、新潟県長岡市の「長岡まつり大花火大会」や茨城県土浦市の「土浦全国花火競技大会」と並ぶ日本三大花火大会の1つになっております。
参考となった根拠や文献的な物、また命名者については不明ですが、江戸時代には「水戸の花火」「市川の花火」「吉田の花火」が日本三大花火として称されていたものの、現代では「大曲全国花火競技大会」「土浦全国花火競技大会」「長岡まつり大花火大会」が日本三大花火大会として親しまれており、いずれも80万人から100万人を超える人出で、1回の開催で2万発前後の花火が打ち上げられます。
また、日本三大花火大会のうちの花火競技大会である「土浦全国花火競技大会」と「大曲全国花火競技大会」では、それぞれの部門で上位入賞を果たした際に総合優勝である内閣総理大臣賞を受賞する事ができる二大花火競技大会とも呼ばれております。
日本国内で唯一の昼花火競技大会
運動会やお祭り当日の朝に打ち上げられる「号砲」や「雷」と呼ばれる花火も昼花火の一つで、三回音が鳴れば「三段雷」、五回音が鳴れば「五段雷」と呼び、さらに音が鳴る回数が増えれば「万雷」と呼ばれて昼花火の中でも音物に分類されます。
「煙竜(えんりゅう)・彩煙竜(さいえんりゅう)」と呼ばれる色の付いた煙をゆっくりと落とす花火や、煙を出しながら夜花火のように開く割物花火などを用いて、昼間の明るい時間帯でも視認性が高い花火を打ち上げて競技を行うのは、日本国内を探しても大曲全国花火競技大会のみです。
夜花火の部 10号割物花火の部
全国から選抜された花火師が1発目に打ち上げるのが、尺玉とも呼ばれる10号玉の中でも高度な技術が必要とされる多重芯割物花火です。
大曲全国花火競技大会では、三重芯以上の多重芯割物花火を打ち上げるのが基準となり、その美しさが審査される競技花火です。
多重芯割物花火とは、外側の親星を除く芯星が2つの八重芯変化菊をはじめ、3つの芯星で三重芯、近年は5つの芯星で構成されて全体で六重の円を描く五重芯変化菊が打ち上げられる事も増えました。
夜花火の部 10号自由玉の部
2発目に創造性や斬新さなどを含めた自由な発想で製作する10号玉を夜空に打ち上げ、タイトルとの整合性や美しさなどが審査されるのが10号自由玉の部で、1発目の多重芯割物花火と重複しない自由創造的な花火を打ち上げるのがルールとなっております。
1発目の多重芯割物花火は日本ならではの伝統的な芸術花火となっていますが、近年は時間差で色が変化する時差式花火などの独創性豊かな花火が打ち上げられます。
夜花火の部 創造花火の部
日本の花火ならではの真円を描く花火にこだわらず、打ち上げる花火は四角や型物でも良いと、元大会委員長の故佐藤勲氏の考案により昭和39年(1964年)の大曲全国花火競技大会で取り入れられた競技花火です。
打ち上げ花火にテーマを設けて、色彩・リズム・立体感・構成など、花火師の創造性・独自性を追求した花火ですが、近年は音楽を使用して花火を打ち上げて、その音楽との調和も審査されています。
審査と内閣総理大臣賞
昼花火の部と10号玉2発や創造花火を打ち上げた夜花火の部をそれぞれ審査して、上位を獲得した花火業者にはそれぞれの部門で賞が贈られます。
全ての部門を総合的に審査を行い、最も優秀であると認められた花火を製作した花火師には、総合優勝である内閣総理大臣賞が授与されます。
前年度の内閣総理大臣賞受賞者による特別プログラム
特別プログラムは、前年開催の全国花火競技大会で総合優勝である内閣総理大臣賞を受賞した花火業者が花火の打ち上げを行うもので、音楽と花火をシンクロさせて打ち上げ幅を広くしたワイドミュージックスターマインが夜空を美しく彩ります。
圧巻のワイド感とド迫力!大会提供花火
大曲の花火と言えば、競技終盤に打ち上げられる大会提供花火が名物プログラムの一つとなっておりますが、2025年のテーマは「交響詩フィンランディア」。
北欧フィンランドの作曲家ジャン・シベリウスの代表作で、ロシアの支配下にあった祖国フィンランドへの愛国心を表現した作品として知られ、「火薬の平和利用」の象徴である花火を、美しい旋律に乗せて打ち上げられる予定です。
競技花火の出品業者
大曲全国花火競技大会では、数年に1度出品業者の入れ替えが行われますが、昨年に2社の入れ替えが行われて、日本国内各地の28業者が出品し、10号割物花火と自由玉、創造花火の3部門で頂点を目指して美しい花火の打ち上げを行います。
No | 都道府県 | 出品業者名 |
1. | 福島県 | ㈲菅野煙火店 |
2. | 長野県 | ㈱紅屋青木煙火店 |
3. | 山梨県 | ㈱齊木煙火本店 |
4. | 宮城県 | ㈲若松煙火製造所 |
5. | 秋田県 | 響屋大曲煙火㈱ |
6. | 新潟県 | ㈲片貝煙火工業 |
7. | 秋田県 | ㈱和火屋 |
8. | 東京都 | ㈱ホソヤエンタープライズ |
9. | 東京都 | ㈱丸玉屋小勝煙火店 |
10. | 長野県 | ㈲伊那火工 堀内煙火店 |
11. | 秋田県 | ㈱小松煙火工業 |
12. | 長野県 | アルプス煙火工業㈱ |
13. | 新潟県 | 阿部煙火工業㈱ |
14. | 静岡県 | 三遠煙火㈱ |
15. | 茨城県 | 筑北火工 堀米煙火店 |
16. | 群馬県 | ㈲菊屋小幡花火店 |
17. | 福岡県 | 髙田花火工業 |
18. | 長野県 | ㈲太陽堂 田村煙火店 |
19. | 愛知県 | ㈱磯谷煙火店 |
20. | 山梨県 | ㈱山内煙火店 |
21. | 長野県 | 信州煙火工業㈱ |
22. | 秋田県 | ㈱北日本花火興業 |
23. | 茨城県 | 野村花火工業㈱ |
24. | 茨城県 | 新潟煙火工業㈱ |
25. | 長野県 | ㈲篠原煙火店 |
26. | 宮城県 | 芳賀火工 |
27. | 茨城県 | ㈱山﨑煙火製造所 |
28. | 山梨県 | ㈱マルゴー |
大曲の全国花火競技大会の映像
大曲の花火全国花火競技大会の様子は、動画でも記録しておりましたので、観覧予定の方々は参考としてご視聴いただければ幸いです。
【4K HDR】2023年 第95回 大曲の花火 全国花火競技大会 昼花火の部 (YouTubeより)
【4K HDR】2023年 大曲の花火 全国花火競技大会 夜花火の部 (YouTubeより)
Camera : Blackmagic pocket Cinema Camera 6K (BMPCC6K)
Lens : SIGMA 10-20mm
Michrophone : MXL CR21
Recorder : ZOOM F3
有料観覧席の販売スケジュール
大曲全国花火競技大会は観覧会場内が全席有料指定席となっておりますので、大迫力の花火を近くで見たい方は予め有料席を購入しておくことをオススメします。
6月13日から始まる先着順のインターネット販売からスタートして既に完売している席種もありますが、全体的には売れ残っている席も見受けられるようです。
インターネット1次販売 | 令和7年6月13日10:00~6月24日 23:59 |
インターネット2次販売 | 令和6年7月22日10:00~7月31日 23:59 |
大曲商工会議所直接販売 | 令和6年7月6日午前7時(午前6時から午前9時まで整理券を配布) |
有料観覧席の席種と料金
席種・定員 | 料金 |
プラチナペア席(定員2名) | 60,000円 |
デラックステーブル席(定員4名) | 47,000円 |
テーブル席(定員4名) | 34,000円 |
堤防BOX席(定員4名) | 30,000円 |
レジャーシート席(定員4名) | 11,000円 |
ペア席(ベンチ)(定員2名) | 12,000円 |
イス席(定員1名) | 7,000円 |
カメラマン席A(上段)(定員1名) | 20,000円 |
カメラマン席B(中段)(定員1名) | 15,000円 |
カメラマン席C(下段)(定員1名) | 10,000円 |
大曲の全国花火競技大会の日程・交通アクセス・観覧情報
開催場所 | 秋田県大仙市大曲 大曲の花火公園 |
開催日時 | 2025年8月30日 昼花火17:30~ 夜花火18:50~ |
花火打ち上げ数 | 18,000発 |
観覧場所 | 全席有料 |
交通アクセス | 秋田自動車道 大曲ICから車で10分 JR大曲駅から徒歩24分 |
マップコード | 138 731 610*24 |
関連ウェブサイト | 大曲の花火 |
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