山形県山形市の蔵王温泉スキー場では、2022年12月24日から2023年2月27日にわたって、幻想的な冬の風物詩・樹氷ライトアップが実施されます。昨年までの様子を交えて、見頃の時期や見どころなどを写真や映像と共にご紹介します。
記事内の目次
大自然の神秘!蔵王の樹氷
蔵王の樹氷が出来上がる理由
別名アイスモンスターとも呼ばれている蔵王の樹氷、これが作り上げられる理由には蔵王連峰の自然と特殊な気候にあります。
東北地方の冬は日本海側から湿った冷たい季節風が吹き、蔵王連峰の西側にある朝日連峰で上昇しながら雪を降らせます。その雲が山形盆地を通って蔵王連峰の西斜面にぶつかると、再び上昇気流となって0度以下でも凍らない過冷却水滴となった雲粒となります。
蔵王山に生えている針葉樹であるアオモリトドマツの葉に、強い西風に乗って運ばれてきた過冷却水滴がぶつかると同時に氷点下10度~15度の気温の中で一瞬で凍り付き、着氷や着雪を繰り返しながら徐々にその姿を成長させていきます。
蔵王の樹氷の見どころ
主に樹氷が美しく見える場所は、蔵王ロープウェイ山頂線の地蔵山頂駅周辺に広がる樹氷原となっており、雪や氷が覆いかぶさった針葉樹のアオモリトドマツの姿がモンスターのように見える事からアイスモンスターの名称でも親しまれてきました。
蔵王連峰の特殊な気候が作り出した蔵王の樹氷は、12月から1月にかけて着氷を繰り返す成長期を迎えて、2月になると最も見頃となる樹氷の最盛期になります。
訪れたのは衰退・倒壊期を迎える3月上旬頃でしたが、着雪や着氷を繰り返す厳しい気象条件で樹氷が作り上げられる山なので、成長期や最盛期は平均気温マイナス10度~15度、風速の10m/sを超える吹雪の日が多く、この条件の中でしか見る事が出来ない雪と氷の世界は、見た者にとって特別な物と感じる事でしょう。
ただし、大自然の洗礼と感じるほどに観覧条件は良くない日も多く、スキーやスノーボードウェアのような冬山仕様の防寒着を着用して観覧をしないと、耐えられないほどの寒さである事は頭に入れておかないといけません。
また、電子機器のバッテリーは寒さで持続時間が短くなってしまうので、大容量モバイルバッテリーや予備のバッテリーを持参して行く事をオススメします。
暗闇に浮かび上がるような幻想的な樹氷ライトアップ
蔵王の樹氷観覧の出発地 蔵王山麓駅
蔵王の樹氷は、蔵王ロープウェイの山麓線と山頂線を乗り継いで、地蔵山頂駅に向かいます。駐車場そばにあるこちらの建物が山麓線の乗り場となっております。
蔵王山麓駅で最大53人が乗車できる山麓線のロープウェイに乗って、ナイトスキーを楽しむ人々を見下ろしながら中間地点の樹氷高原駅に向かいます。
所要時間は約7分ほどで、2台のゴンドラが交互に入れ替わるように次々と人を運んでくれます。
中継地点の樹氷高原駅周辺では、小規模ながらイルミネーションの点灯や雪原のライトアップも楽しめます。
樹氷高原駅から先は大自然の厳しさも感じられます。
樹氷高原駅からは、18人乗りのフニテルに乗り換えて、蔵王の樹氷を見る事が出来る山頂線の地蔵山頂駅まで一気に向かいます。
フニテルとは、フランス語のFuniculaire(鋼索鉄道)とTeleferique(架空索道)の造語で、2本のロープ幅がゴンドラ幅より広いロープウェイの愛称なのだそうです。
山麓線の時とは違って、静けさの中に風の音やフニテルのローラー音だけが響き渡り、暗闇の中にうっすらと見える樹氷原の姿を眺めながらゆっくりと山頂に向かいます。
所要時間は約10分ほどですが、16台のフニテルが次々と入れ替わるように来ますので、待ち時間はほとんどありません。
地蔵山頂駅に到着後
地蔵山頂駅に到着すると、すぐに樹氷のライトアップを眺める事が出来ます。
駅内にはレストハウスがありますが、特に撮影目的でカメラを持ってきた人はここから要注意です。
氷点下の気温の中で、約20分ほどかけてロープウェイを乗り継いで来た後は、本体やカメラがとても冷たくなっているため、暖房が効いているレストハウスの中に入ってしまうと一気に結露してしまいます。
レンズヒーターが効かない事も多いぐらいの寒さですので、到着して撮影を終えるまでは、レストハウスの中には入らない事をオススメします。
迫力のある樹氷を目の前で見る事が出来ます。
地蔵山頂駅を出ると、ライトアップされた樹氷を間近で観賞する事が出来ます。
ロープウェイに乗っている時に遠目に見た樹氷の姿よりも迫力を感じる大きさで、厳しい寒さと強い風に乗って運ばれてきた雪や氷が着氷した様子を間近で観察できるのも見どころの一つ。
地蔵山頂駅の屋上からは樹氷原を一望できます。
地蔵山頂駅内にあるレストハウス手前の階段を上ると、日本夜景遺産の一つに認定された樹氷原のライトアップを360°見渡せる屋上デッキに行くことが出来ます。
地蔵山頂駅から照らされた光が樹氷原に光と影を作り、浮かび上がるように幻想的に輝く樹氷の姿を見る事が出来る他、天候が良い時には米沢市から天童市までの夜景を一望することができます。
ただし、風が強く安全な樹氷観賞が見込めない日には、屋上デッキが閉鎖となる場合もあるのでご注意下さい。
樹氷ライトアップの映像
【世界に誇る冬の絶景】山形蔵王の樹氷 幻想的で美しいライトアップ 2021【5K UHD】
2020年から2021年にかけての冬はなかなか天候に恵まれず、ライトアップを3回見に行ってやっと見る事ができました。
例年よりも風が強く吹いた日が多く、2月の中旬頃には崩れてしまった樹氷が多かったとの事で、風が強すぎても綺麗な樹氷が見れない年もあるそうです。
蔵王の樹氷 交通アクセスや料金情報
所在地 | 東北地方|山形県山形市蔵王温泉 地蔵山頂駅付近 |
期間 | 2022年12月24日~2023年2月27日(ライトアップ) 開催期間はこちら |
時間 | 17:00~21:00(上り最終は蔵王山麓駅発19:50まで) |
料金 | 大人(中学生以上)3,500円・小人(小学生)1,800円(往復料金) 障がい者割引 5割引 |
駐車場 | 無料 |
交通アクセス | 山形自動車道山形蔵王ICから西蔵王高原ライン利用、車で30分 蔵王温泉バスターミナルから徒歩で15分 |
マップコード | 569 572 054*88(蔵王ロープウェイ山麓駅) |
関連ウェブサイト | 蔵王ロープウェイ |
宮城県側からは冬季閉鎖となっている蔵王エコーラインを通行して行く事はできませんので、山形自動車道など他の道を利用して行くようにして下さい。
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